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『ソーシャル・ネットワーク』 [映画]

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成績抜群なのに、どうやらあまり人付き合いが上手くないハーバード大学生、マーク・ザッカーバーグ。今夜も喋れば喋るほど恋人を不快にさせてしまい、とうとう別れを言い渡されてしまった。寮に戻り、ほとんど腹いせでハーバードのコンピュータをハッキングして女子学生の顔写真を集め、それをランキングするサイトを立ち上げる。ビールをあおり、一方的に去った恋人の悪口をブログにアップしながら。2時間で2万2千アクセスのあった女子大生ランキングサイト“フェイスマッシュ”、それがすべての始まりだった。
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 全世界で5億人が利用するという巨大なソーシャル・ネットワーク“フェイスブック”を創った男の物語。いつの間にか大した実力者となったデヴィッド・フィンチャーの最新作である。目下今年の賞レースの大本命。
 “最も若い億万長者”のサクセス・ストーリー。…ではある、のだが、ここに描かれる男の子たちはなんだかろくでもない。美化するどころか、悪く脚色されているみたい(“リアル”ザッカーバーグ氏は、フェイスブック創設前から付き合っている恋人と、今でも続いているという話だし)。
 マークはとにかくよく喋る奴なのだが、頭の回転が良すぎるらしくて会話が成り立たないこともしばしば。いわゆるおたくで、成績は良いのにあかぬけない、自意識過剰と強烈なコンプレックスを抱えている。しかしパソコンに向かうと敵なしの行動派。ああ、でもアルゴリズムは親友に頼っていたなあ。演じるジェシー・アイゼンバーグは、今後この型にはめられて役者として苦しむのではないかと心配になるほどの見事な演技。
 さて、アルゴリズムを書き、CFOとして出資したりスポンサーを探したり活躍していたのに、いつのまにか居場所をなくしていき、ついに決定的な出来事から親友を訴えることになるエドゥアルドは、アンドリュー・ガーフィールド。『わたしを離さないで』にも出演、新スパイダーマンに決まった有望株。って、『Dr.パルナサスの鏡』のあの一座の若い衆か!まあまあ、立派になって。
 彼らの活動と友情に大きな影響を及ぼす、ナップスター創設者ショーン・パーカーが、ジャスティン・ティンバーレイク。うさんくさい!素晴らしい!
 富豪のご子息、ハーバードの勝ち組であるボート部の双子くんが、素敵に嫌みで、でも変に紳士だったりしてよかったのだ。こんなイケメン双子をよくキャスティングできたなあと感心していたら、なんと一人二役だった。いや〜びっくり!
 異様に台詞が多い(脚本も素晴らしい、テレビシリーズ『ザ・ホワイトハウス』や『ア・フュー・グッドメン』のアーロン・ソーキン)のだが、説明的なものではなく、人物像やお互いの感情などの複雑な部分を映画として見せてくれる。時間軸に沿ってストーリーが語られるのではなく、いくつかの視点から再構築されているのも好み。なんてことない脇役までも印象深い、優れた作品。
 ところで、天下のハーバードに入ったところで、やつらああいったパーティばっかりしてるんですかね。いつの間にか親目線。ああ、歎かわしい(笑)。
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