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『ロードサイド・クロス』 [本]


ロードサイド・クロス

ロードサイド・クロス

  • 作者: ジェフリー・ディーヴァー
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2010/10/28
  • メディア: 単行本



==パトロール警官が路肩に見つけた十字架—交通事故の死者を追悼する十字架—には、事故の日付だけが記されていた。明日の日付が。それが始まりだった。
 二週間前に起きた、高校生の自動車事故。死者が二人出てしまったその事故について、あるブログが記事にした。運転手は逮捕されておらず、道路管理の責任を問う声も特にない、誰も事故の責任を追及していないという記事。高校生である運転手の名は当然伏せられていたが、その人物を暴き中傷する書き込みがあり、どんどんエスカレートしていく。やがて、悪意の書き込みをした人物が次々に命を狙われはじめた。路肩の十字架は、それを予告しているのだった。事故車の運転手との繋がりは?犯人は次に誰を狙う?美しき人間嘘発見器キャサリン・ダンスがついにたどりついた真実とは==

 今回キャサリン・ダンスが挑む事件は、ネット社会の闇そのもの。姿なき悪意に震撼。しかも彼女には仮想社会のみならず、現実社会でも敵が現れる。仕事のこと、家族のこと、個人のこと。キネシクスの天才ではあるけれども、母親であり娘であり、働く女性であるダンスの悩みや喜びはとても共感できるもので、彼女を身近に感じられる。事件の展開やまたしても意外な真相(くるりくるりとひねってある。乞うご期待!!)のみならず、ダンス自身のドラマにもはらはらと惹きつけられる、円熟の一冊。まさにページターナー、寝不足必至です。現に私は、残業して通常よりも3時間遅く帰宅した後、寝る前に続きちょっとだけ、と手にしてしまい、結局残りの3分の1を読み切ってしまった。翌日、確かに眠かったけれども大変満足していたので元気に過ごした。

 著者ディーヴァーは、来週初来日!講演も面白い方らしいので、話聞きに行ける人が羨ましい。しかも今度の007の新作(小説の、である)を手がけるそうじゃないですか。一層のご活躍を期待します。ここのところ、全くはずれなし。今回も、全く別の本を読んでいたところをそちら文字通り放り出して読みました。大満足。


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