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『ザ・ウォーカー』 [映画]

==近未来のアメリカ。何が起こったのか、荒廃しきった大陸を一人歩き続ける男がいた。頑ななまでにストイック、非情に見えて信義に厚い、心許さぬ謎の男。背にしたパックには1冊の本。彼はこの本を届けることを使命と心得て、西へ向かっているのだ。何処へ?誰へ?その本を探し求める男がもう一人いた。この世界では貴重となってしまった、清浄な水源を押さえて街を牛耳る男。やがて世界を手にしたい、そのために必要なのがその本なのだと。地上から消え去ったとされる“その本”とは?歩く男(ザ・ウォーカー)の使命とは?世界を狙う男との闘いの行方は?==

啓示を受けた男、デンゼル・ワシントン。どんな役にも説得力を持たせることができる。素晴らしいです。しかも今回、強い!座頭市みたいなソード捌きを堪能。本を朗読するシーンでは一変して知性の塊みたいになったし、強靱な精神力も悲痛なまでの忍耐力も、瞬時の判断力も、優れた大人の男というものがすべて具現化されている。

彼にからむ美少女ソラーラにミラ・クニス。初めて見た女優さん、彼女が私好みど真ん中!唇女優だっ!アンジェリーナ・ジョリーを彷彿とさせるウクライナ美女、昔アンジーの幼少期役をやったりしているようなので(『ジア 裸のスーパーモデル』にて。これは冒頭しか見たことないので未確認)ほんとに似ているんですね。要チェックだ。必要以上にくねくね女くさくない、理想的美女でした(あの、アクション映画で主人公の邪魔ばっかりする女いるじゃないですか、ああいうのイライラする)。ちなみにマコーレー・カルキンと付き合っているらしい。くくう〜っ、意外にやるなマコーレー。

ゲイリーは、ほんと相変わらずゲイリー・オールドマンでした。彼の演じる役を見ていると、切望したものを手にしたらすぐに中身を確認しなければ!と心から思うよ。昔から考えているのだが、誰か彼に普通の恋する男を演らせてみてはくれないだろうか。あんなに繊細な演技ができる人なのに、どうして同じような悪い人(しかもけっこう間抜け)ばっかり。

ゲイリー扮する悪い人の情婦にジェニファー・ビールス。盲目で、ソラーラの母上です(父はゲイリーではない)。実はクレジット見るまで誰だかわからなかった。しかし落ち着いた美しいひとだなと。弱そうに見えて芯のしっかりした、よい役どころ。

ゲイリーの街の技術屋(?)にトム・ウェイツ。嬉しい。彼が画面にいるだけで本当に嬉しい。

どこまでも荒廃したアメリカを、奇妙なまでに美しく銀幕に写し出した監督のヒューズ兄弟は、実写版『AKIRA』を撮るとかいう話。ウォシャウスキー兄弟みたいにわけわかんなくならないでほしいなあ(『バウンド』は素晴らしかったし、『マトリックス』も1本目はよかったのになあ…)。

あくまでもアメリカ大陸での話、というのが納得。変にワールドワイドになったらおかしい。文明について、宗教について、生き延びることについて、いろいろと思いを馳せてしまう作品だった。
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hash

こんばんは。
題材といい、映像といい、なかなか興味深いものがあり、キャストも賑やかで楽しめました。
>ゲイリー・オールドマン
普通の映画で普通の役を見たいですね。

by hash (2010-06-28 23:48) 

madamelee

hashさん、いらっしゃいませ!
ゲイリーについては、儚い望みを託して『レイン・フォール』まで
劇場に観に行ったのですが…。
今思えば、ベートーベンあたりが一番まともな役かも。
警官と世界征服を禁じ手にしてほしいです(笑)。
by madamelee (2010-06-29 08:33) 

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