『ペンギン・ハイウェイ』 [本]
==待望の新作、語り手は小学四年男子。しかも端正に賢く、大人よりもものを考えかつ知っている。しかももっともっと知りたいので、日々努力(ノートをとるし、たくさん本を読む)を怠らないというたいした人物なのである。そんな彼の、それなりに波乱万丈な日常(仲の良い、あるいはそうではない同級生たち、両親、知り合いのお姉さん、学校…)は、ある日突然本物の波乱万丈へとシフトする。きっかけは、どこからともなく突如現れたペンギンの群れだった==
小四男子!それはたびたび我が家にも出没する、あのやかましい生き物だ。語り手のアオヤマ君みたいな好ましい奴はいないな〜、残念。困った君のスズキ君やお仲間を彷彿とさせるのは沢山いるけど。アオヤマ君てば、ただのアタマデッカチ君なのかとおもいきや、芯の通ったたいした少年なのだ。プールでいたずらされたときの対処法にしびれました。素敵!
非日常を魅力的に描き出してくれている、と楽しんで読んでいったのだが、なんとラストでは胸をしめつけられるような想いまで。探検したり成長したり考えたり、小学生ってものすごく充実した毎日を送っているのだったなあと思い出した。我が家の小学生二人が晩御飯の頃になると眠くて眠くてハイテンションになるのも当然か。とても奇妙な、いい話。人工的な郊外住宅地のリアルな非日常。
それにしても、街のなかにペンギンとはなかなかシュールな画、と思っていたら、昨夜なんとなくつけていたテレビで南アフリカの街に住み着く野生ペンギンの話をしていて非常に驚いた。生け垣の下に、普通にペンギンが巣を作っているってのはちょっとすごい。
タグ:ペンギン・ハイウェイ 森見登美彦
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