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『かいじゅうたちのいるところ』(日本語吹替版) [映画]

映画化を知った時には、まさか!大丈夫なの?と不安が先行。でも、監督がスパイク・ジョーンズとのことで少し安心(でもどこか遠いところへ突っ走って行きそうな気もしてやはり不安)、劇場で予告を見て安心は確信に変わった。

この映画は、いい。

==マックスは、最近面白くない。お姉ちゃんは友達と遊ぶのに夢中でかまってくれないし、お父さんとは離れて暮らしてる。お母さんは仕事と家のことと彼氏のことでちょっとうわのそらだし。太陽もいつか死んじゃうんだって学校で習って、ますます心がもやもや。だから、お母さんのいうことをきかないで、あばれた。もちろんすっごく怒られた。ぼくがわるいんじゃない!マックスは家を飛びだして、走って走って…。気がつくと水辺にきていて、ボートがあった。夜の船出だ。朝焼け、もの思い、夜の闇、そして嵐。たどりついた島にいたのは、不思議でワイルドなものたちだった==

7才の息子と行ったので、吹替版を選ぶ。それもちと不安だったのだが、大丈夫ですから、安心してみなさんで映画館にお出かけください。私はなんの不満もなかった。

ワーナーのオープニングロゴが映る冒頭から、ああ本気なんだなこの映画ってわかる。ものすごく愛されている原作を、大事に納得のいく作品になるよう作ったんだなって。作り手側もみんなこの作品が大好きなんだ。

スチール写真を見て文句なしにかわいかったマックス。もう本当にかわいい!しかも、あばれる、泣く、騒ぐ、落ち込む、優しいしおこりんぼだし繊細だしわがままだし時々小心者、つまりごく普通の子どもだ。そして“普通の子ども”って映画ではめずらしい。お話を作るのが上手で、この設定があとで生きる。演じるマックス・レコーズくん(同じファーストネームなのだ)はもちろん素晴らしいのだが、これたぶん監督の演出もうまかったんだろうな〜。

かいじゅうたち。もおおおおお、すごいよ!こんな風に出会えるなんて思ってもみなかった。声も一流の役者さんたちがあてているのだが、実は中にちゃんと現地(オーストラリアにて撮影)の役者さんが入っていて、科白も憶えて演じていたという。つまり、マックスはブルースクリーンなんかじゃなくて、ちゃんとかいじゅうたちと対峙することができていたわけだ。この違いは大きい。醸し出すもの、沸き上がる感情が絶対に違ってくると思う。ちゃんと化学反応が起こるはずだもの。みんな個性的で、本当にワイルドででも繊細で、大好きになること間違いなし。表情も素晴らしかった。技術の発展がこういう形で使われるのは嬉しいし、好みに合っている。

来日した時の写真を見て、監督がこぎれいになっているのにびっくり(笑)。あのすっとんきょうな奇才、というよりもちょっと落ち着いた雰囲気(でもインタビューを読むとあいかわらずで嬉しい)。それから、制作にトム・ハンクスがかんでいる。プレイトーンのロゴが見られて嬉しかった(私は彼の監督1作目の『すべてをあなたに』が猛烈に好きなのだ)。

原作は、もちろんモーリス・センダックの『かいじゅうたちのいるところ』。きみはきみの『かいじゅうたちのいるところ』を作るんだよ、とスパイク・ジョーンズに許可しただけじゃなく勇気をパワーを与えたセンダックはやはりすごい。
それから、小説版が出ている。またわけのわからないノベライズかとパスしようとしたのだが、なんだか気になりあとがき(だったか解説だったか)だけ覗いてみた。センダックとの心をうつ交流があったようです。チェックしたほうがいいかもしれない。

お子様映画でしょ、と侮ることなかれ。違うのです、子どもが主人公だっていうだけ、心ゆさぶる作品です。砂漠好きの私には、嬉しい風景も多数。息子も満足だったとのこと。字幕版も観たい。




かいじゅうたちのいるところ

かいじゅうたちのいるところ

  • 作者: モーリス・センダック
  • 出版社/メーカー: 冨山房
  • 発売日: 1975/01
  • メディア: 大型本



かいじゅうたちのいるところ(小説版)

かいじゅうたちのいるところ(小説版)

  • 作者: デイヴ・エガーズ
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2009/12/04
  • メディア: 単行本



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コメント 2

ジジョ

>きみはきみの『かいじゅうたちのいるところ』を作るんだよ

モーリス・センダック☆
なんだか懐の深いこと言いますねーーー。
ノベライズも便乗商法っぽくて「ふ〜ん」って感じだったんですけど
映画観たら読んでみたくなりましたw
あとがき、、、チェックしてみます☆
by ジジョ (2010-01-23 02:20) 

madamelee

検索かけるとコラボTシャツとかいろいろ出てきて、
普段はなんとも思わないのに
今回は妙に欲しくてたまりません(笑)。

小説版書いた人(=脚本の人)は、なかなか面白い本を
書いてきた人のようで、これから読んでみようと思ってます。
by madamelee (2010-01-23 20:26) 

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