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『借り暮らしのアリエッティ』 [映画]

==人間の側に住み、生活に必要なものをちょっぴり借りてきて暮らしている小さな人。彼らの掟は“人間に見られてはならないこと”。そんな借り暮らしの小人たちが、ある古い屋敷にも住んでいた。寡黙だが落ち着いたお父さん、ちょっと心配性なお母さん、そして14歳のアリエッティ。好奇心いっぱいで元気者の彼女は、初めて“借り”に行く日を楽しみにしていた。それは大人の一歩だから……。その屋敷に、人間の少年、翔が滞在することになる。屋敷の女主人の姉妹の孫にあたる翔は、心臓が悪くて手術を控えていた。彼の考え深げな瞳がアリエッティの気配をとらえるのに時間はかからなかった。しかし、それは借り暮らしの人たちにとっては危険なこと。住まいを移さねばならない==

ノートンの『床下の小人たち』をジブリがアニメ化、と聞いた時には、失礼ながらなんだか心配だった。やたら説教臭くなりそうな予感。予告を観て「君たちは滅びゆく種族なんだよ」「違う!」なんて会話にさらに不安になった。

でもね、この作品は静かなる小品だった。声高に「共生を!」なんて言わないのでご安心を。原作については、読んだ、という記憶しかなくて(だって30年くらい前のことだよたぶん)イメージの差に悩むこともなく済んだし。映像はやっぱり美しい。そして、小人目線で我々の(って言っても、ちょっと浮世離れしたような素敵なおうちなわけだが)世界がこんなふうに見えるんだ!ということろが実に面白かった。部屋の中が遠い!外の世界が果てしない!ああ、床下でびよんびよん跳ねているのがコオロギでありますように(大嫌いなカマドウマに見えてしょうがない、あの大きさで奴等が来たら私気絶する)。これ、東京都現代美術館に今行くと、種田陽平展で実際に体験出来る。羨ましい。

悪い人がいるわけじゃなくて、でもその行動が他の人を追いつめてしまうこともあって、簡単に解決するような問題でもなくて、それぞれが自分の道を行く、と。好奇心、好意、プライド、宿命、スモールワールドには全てがつまっている。本当は悪人でもないお手伝いのハルさんに関しては、もっとあれこれ追及してみたいところ。妙な和解などないのがいっそ好ましかった。

竹下景子さんは、このところ素晴らしいですね!『ゲゲゲの女房』も楽しみにしております。藤原竜也さんの意外な使われ方にびっくり。『未来少年コナン』のジムシイを彷彿とさせる野生児。彼の活躍を見たいものだわ。

小学4年の娘には、アリエッティの髪留め(?)が好評。小学2年の息子も楽しんでいた。なんたってアドベンチャーでありますからね、“借り”は。



床下の小人たち―小人の冒険シリーズ〈1〉 (岩波少年文庫)

床下の小人たち―小人の冒険シリーズ〈1〉 (岩波少年文庫)

  • 作者: メアリー ノートン
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2000/09
  • メディア: 文庫



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madamelee

cfp様、はじめまして。nice!ありがとうございました。
何故かいつも、斜に構えて観てしまうジブリ作品ですが
(でも観ている)、うん、今回後から思い出すのが葉影とか
カラスとかの家の外の描写です。
野に出たり、川をくだったりする彼らも見てみたくなりました。
by madamelee (2010-08-01 07:58) 

ジジョ

種田陽平展も観て来ました〜♪
会場にはアリエッティの髪留めをした子供が
たくさんいましたよ^^
小人目線の世界っていうのは、
無条件にワクワクしてしまいますね〜☆
by ジジョ (2010-08-04 01:10) 

madamelee

ジジョさん、いっらしゃいませ。
種田陽平展、御覧になったのですね!
やっぱり体感してみたいな〜、小人目線。

原作も読み返したくなりました(というか
わすれているのだから“読んでみたく”ですね)。


by madamelee (2010-08-04 06:38) 

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